「第一生命が戦後初めて保険料収入で業界首位の座へ」。
15年3月期末が近づくにつれ、こんな見出しの観測報道が始まった。

   実際、5月末に生保各社の決算が出そろう。
第一生命グループの保険料収入5兆4327億円に対し、日本生命保険は5兆3371億円となった。

  だが「一喜一憂しない。お客様の支持が集まった結果として受け止めたい」というのが当社の見解だった。
私もいくつかのインタビューに答えたが、その最中つねに頭をよぎったていたのは。

   「最大たるより最良たれ」という、第一生命創業者が示した社訓ともいえる言葉だった。
「最大」という相対価値にはゴールが存在するが「最良」は時代や定義次第でゴールのない。

   絶対価値を求めることになる。最良を追求する方がはるかに難易度が高い。

           ( 日経 私の履歴書 より 渡邊光一郎・第一生命保険特別顧問 )