9年間務めた社長職の襷(たすき)を渡すときが来た。
後継者は多様な候補の中から時間をかけて検討してきた。

   当社はブラジル事業の損失で赤字になったことを契機に。
翌年の2018年からbガバナンス体制を強化した。

   指名・報酬諮問委員会の委員長も社外取締役にし、後継社長も客観的な視点で選抜した。
とにかく外部機関に候補者の評価を依頼すると、私が思っていた人物評とは異なり。

   驚くことがあるが多々ある。
どんな会社でも通用しそうな「市場価値」が高いとされる人材が、必ずしも社長にふさわしいわけではない。

   大事なのは正解を導ける頭の良さより、苦しみながらも物事をやり遂げる意志の強さではないか。

       (  日経  私の履歴書 より  磯崎 功典  キリンHD会長CEO )