そしてコミュニケーションの武器は、やはり笑い。
ある時海外の得意先で、高圧的だった担当者と向き合った。
「当社のシェアを上げてほしい。150%」に。さらっと伝えた。
普段は常に強面な相手も少し肩の力が抜け、ほおが緩んだ。結果的に商談は成功した。

「笑いに国境はない。正攻法以外の伝え方で動くこともある」。
部下にはいつもスマイルでと伝えている。

2022年、社長に就任した。
新型コロナウイルス下での就任で、あらためて痛感するのはコミュニケーションの重要性だ。
「思いが伝わる”打率”はメールが5割、電話が7割、会って9割」が信条。
笑いを交え、なるべく対面を重視する。
「皆さんが取れる球を投げているだろうか」と自問する日々だ。

   (  日経  Mystoryより 齋藤 昇  TDK社長  )