戦後、アメリカによる統治時代を経て沖縄から伝統的な料理は急速に失われてしまった。
舞踊ではなく料理一本で生きることを決めたのも、琉球料理には後継人がいなかったからだった。

  2021年の13年続けた店を閉じた後は、テレビ番組などで琉球料理を伝えている。
20年には「にちにいまし」(文芸春秋)を出版した。
タイトルは沖縄の言葉で「似ているけれど、さらに良い」という意味。
琉球料理は「にちにいまし」の積み重ねだ。

  今でも料理を教えて欲しいと訪ねてきてくれる人や。
手紙のやり取りを続けている人がいるのはありがたいことだ。
  最近は、小規模で料理をふるまう会などを開いてみたいと考えている。
     (  日経 文化より  山本彩香  琉球料理研究家  )