月面着陸の成功まで、あと少しのところだった。
宇宙スタートアップのispace(アイスペース)の無人着陸船からの通信が、月に降り立つ直前に途絶えた。
だが未完の計画は新たな挑戦のスタート地点でもある。
「次のミッションに向けた大きな一歩だと考えている」。
アイスペースの代表はそう言って前を向いた。

  ブラックホールの研究で知られ、科学の面白さを一般の人にも広く伝えたホーキング博士が。
こんな言葉を残している。「足元を見下ろすのではなく、星を見上げよう。大切なのは諦めないことだ」。
宇宙の旅がもっと身近なものになる日はきっとすぐそこだ。
子どものように力強い好奇心とチャレンジ精神が道を切り開く。
(  日経  春秋より  )