「それと比べて野球界は100年以上の歴史があるけど、プロ野球を見ても。
昭和25年(1950年)に2リーグになって70年ほど、ずっと同じことをやっている。

   プレーする側も見る側も、新鮮味がないですよね」。
・・・硬直的な組織が発展を阻害していると。

   「野球には100ぐらいの組織がある。プロだけでなく社会人、大学、高校、中学、学童の各レベルで。
分かれるだけでなく、地域的にも分断されている。そのつながりがない。

   どうせやるなら互いに情報交換をした方が全体の底上げにつながる。
まずは我々がその役割を担おうと思う。

   ・・・横のつながりをどうつくるのか。
「例えば、どこかのチームや地域で成果が出てた取り組みを、ほかのところに伝えられないか。

   みんな知りたいし、何かを変えようということにつながっていく。
僕はもうこの年なのでなかなか体が動かないけど、伝達係はできる。そういう場を作っていきたい」。

   ・・・今年、全日本野球協会(BFJ)の小中学生対象の指導者資格を取得した。何か発見は。
「まずは子どもたちに野球を楽しんでもらうこと。

   僕もそうだけど、指導者は自分のが経験したことを教えてしまいがちだ。
昔の指導は上意下達の軍隊式みたいなところもあったので、それは改めないといけない」。

       (  日経  直言 より  王 貞治・球心会代表 )