20代の頃は寝るのも惜しかった。
何も恐れずに「俺はできる」と突っ走れた自分が懐かしくもある。
許される範囲内で、あの常軌を逸したエネルギーを取り戻してみたいとも思う。

  オリベイレンセでの挑戦も残り1試合。
5試合でベンチ入りして2試合に出場したけれども、充実感はない。
ただ、結果がどう転ぶにせよ、そこへ立ち向かうエネルギーは残っている。

  生活が豊かになって余裕ができれば、心にもぜい肉がつく。
だけど僕の心は相変わらず聞き分けがよくないみたいだ。
「99%無理」だとみなされようが、望むものに挑み、手にしてみたい。
とらわれずに生きていきたい。
あの15歳のころのようにね。
  ( 日経  サッカー人として 三浦知良 )