――じつは私自身も、小学生くらいの頃にサインをいただいた記憶があって(笑)。
すごく優しいお相撲さん、という印象があります。  本当に? 優しくしていてよかった(笑)。
特に子どもの場合は、大人になっても覚えているくらいの強い印象が残りますからね。
少しでも「お相撲さんっていいな」「相撲って面白いな」と思ってもらえるようにしないといけない。

  例えば、ちょっと体の大きい子に「相撲取りになるか」なんて軽口を叩くと。
かえって怖がらせたり力士に近寄らなくなったりしてしまうので、そういうことも絶対に言わなかったです。
自分も「相撲取りになれ」と言われるのはイヤでしたから(笑)。

  会うだけでファンに喜んでもらえるというのは、他のスポーツではなかなかないこと。
不思議なもので、最初は本当に相撲が嫌いだったけど。
そうやっていろんな経験をしていくうちに、だんだんと愛着が湧いてきてね。
「この世界にいることができてよかったな」と思うようになりました。
だから、大ケガもしたけど、やめたいと思ったことはありませんでした。
                 (  Number Web  より  )