初任地が同じ神戸支店で、私の5年後に入社してきた。
傍流を歩んだ私とは対照的に、本流のビール営業でキャリアを積んだ。

   温厚で「人を敵に回さない」という私にはない強みを持っていて、とても頼りになる仲間であった。
久しぶりにタッグを組む関係になったのは、私がキリンビール社長だった14年。

   同社傘下の営業専門会社の社長に布施さんが就いた。
そして翌年、私がキリンホールディングス社長になると彼がキリンビール社長に。

   2人の共通テーマは組織風土改革だった。
負け続けている要因を他の人のせいにする「他責文化」を払拭しようと力を尽くした。

   横文字を使い戦略論を振りかざすのではなく、みんなの英知を集めて現場を引っ張る。
人間的な魅力にあふれていた。

       (  日経 私の履歴書 より キリンHD会長CEO )