ただし、米国野球殿堂入りの記念式典でイチローさんが、「夢」と「目標」の違いを語ったごとく。
ドゥンガ氏もW杯で下克上を起こすには準備段階から緻密かつ良質なプログラムをつくることが大事と説く。

   さらに大会に入ると求められるのは極限の集中力。
「W杯では1秒でも集中力が途切れたら、それで負けてしまうことがある。

   家族のこととか自分のプロモーションの心配とか、いかなることも期間中は頭の中から消し去る。
試合ごと、プレーごと、その瞬間ごとに集中する意メンタリティーをつくらなければ」。

   そう語るドゥンガ氏はW杯2連覇を逃したフランス大会決勝も。
欠場させるはずのロナウドを急きょ先発させて不発に終わったことより。

   ロナウドを巡る一連の騒動と混乱に、周りの選手が集中力を失ったことの方を問題視する。
来年のW杯で優勝を目指す日本に対しては。

   「一人ひとりに、では君は優勝するために何を犠牲にできる?と問いかけたい。
あらゆるものを犠牲にW杯に集中する覚悟があるか、常に自分に問わなければ」。

   そのうえでエールを送る。「不可能を可能にするのが我々の仕事だ」。

       (  日経  アンサービュー より  「W杯優勝、闘将エール」 )