初戦に大敗した後の第2戦で完投勝利を挙げ、負ければ終わりの第6戦も勝利投手に。
延長十八回の大熱戦となった第3戦でも救援登板に備える男気を見せた。

   右腕の大車輪の働きがなければ第7戦まで連覇の糸口をつなげていたかどうか。
「まさに前代未聞。彼には強いメンタル、完璧なフォーム、ゆるぎない意志がある。

   こんな選手は見たことがない」。この日、ポストシーズン(PS)で先発ローテを担った。
全4投手をつぎ込む執念の采配を見せたロバーツ監督は、山本に最上級の賛辞を贈る。

   「由伸が世界一の投手だと、みんな思っている」と大谷が言えば。
PSでブルペンを支えた佐々木は「僕らの投手が目指す姿なのかなと思う」。

   チームの歴史に栄光の一ページを刻んだ山本は「また一つレベルが上がった感じがする」。
激戦の余韻とともに心地よい疲労感に浸った。

       ( 日経  スポーツ より 「山本伝説 ドジャース連覇」 )