第一群の犬は対照群で、電気刺激そのものが与えられない。
第二群の犬には電気刺激を与えるが、目の前のボタンを押せば刺激を止めることができるようになっている。

   最初は驚くが、しばらくたつとボタンを押してその電気刺激をコントロールできることを知る。
第三軍の犬たちは、目の前にボタンはあるが、それを押しても。

   電気刺激を止めることができない仕掛けになっている。
その結果、自分の力では辛い環境を変えるコトができないという無力感が植えつけられる。

   この状態をセリグマンは学習性無力感と呼んだ。
こうした学習体験をした犬に電気刺激を与えると、第一軍と第二群の犬はぬげようとするが。

   第三軍の犬はあきらめて動こうとしない。
当初、第三群の犬の状態が注目されたが、最近では第二群の犬のあきらめない姿勢が。

   注目されるようになっている。
この犬たちはあきらめないで試しているうちに対応策を学習することができた。

   そうすると次に困ったことが起きても、対応策を考えるようになる。
最初はうまくいかなくても、工夫すれば対処できるのではないかと考えることもできるようになる。

   いろいろな場面で粘り強く対応して、自分の力を生かせるようになるのだ。

       (  日経  こころの健康学 より   )