すがすがしい正月三が日の朝、金子みすゞの詩の一説を思い出した。
「年のはじめに/夢売りは/よい初夢を/
売りに来る」。(「夢売り」)。素晴らしい1年の兆しになりますように。

   元旦、あるいは2日の夜に見る夢は昔から特別なものだと考えられてきた。
江戸時代、吉夢を見るために七福神が乗った宝船の絵を枕の下に置く風習があったという。

   「お宝、お宝」と叫びながらこの絵を売り歩く商売も存在したとか。
富士とはいかないまでも鷹や茄子くらいは、とでも願ったか。

   みすゞの詩はこう続く。「そしてやさしい/夢売りは、/夢を買えない/うら町の、/
さびしい子等の/ところへも、/だまって夢を/おいてゆく。」。

           ( 日経 春秋 より  )