ナイ氏は4月に死去したリチャード・アーミテージ元国務副長官と並ぶ。
知日派「ジャパンハンドラー」の重鎮だ。

   一貫して日米関係の強化に尽くしてきただけに、揺らぐ日米関係を深く危惧する。
トランプ氏によるソフトパワー破壊はベトナム反戦運動があった1960~70年代以来の危機と位置付ける。

   信頼を裏切ることを楽しむようなトランプ流の交渉術を説明する際には苦渋の表情を浮かべた。
「私が日本の友人たちに伝えたいのは。

   米国が困難な4年間を乗り越える間、辛抱強く待っていてほしいということだ。
日本へのメッセージを求めると、こんな答えが返ってきた。

   今年も訪日して日米関係の会議に参加することを楽しみにしているという。
米国のソフトパワーの源泉は政府ではなく市民社会だと分析する自らの理論を体現するような生き方だ。

       (  日経  直言 より  ジョセフ・ナイ  ハーバード大教授 )