多感な時代に聞いた母の涙ながらの話に、「何かおかしいのではないか」。
「将来社会に出たら、女性が自由に生きていける環境づくりに役に立ちたい」と思った。

   資生堂でダイバーシティーの取り組みを推進してしたことに繋がった気がする。
母は「人を信用しなさい。でなければ、自分も信用されない」とよく言っていた。

   母は20年に87歳で旅立った。母の教えに感謝の気持ちでいっぱいだ。
これからは性別・年齢など問わず多様な人材が能力を発揮することが当たり前になるはず。

   バイアスを持たず「違い」を尊重し、その価値を生かす社会の実現に尽力したい。

       (  日経  私の履歴書 より 魚谷 雅彦  資生堂前会長CEO )