友人の俳人曰く、自分が選者を務める俳句雑誌の投稿欄にAIの作った句がきたら。
採用してしまうことはもはや十分にあり得ること。
そうだろうなと僕も思う。

   また、仮に俳句の「よしあし」をプログラム化できたとしたら。
そのプログラムに則(のっと)って「選句」することさえ可能かもしれない。

   でも、だからってなにも脅威に思わないと僕は言い、友人も賛同した。
投稿が採用されて嬉しいとか、されなくて悔しいと「思う」ことがAIにはできていないからだ。

   そもそも、AIの作った作品が仮に「よい」ものだとしても、よいと「思っている」のはAIの側ではない。
膨大な単語の組み合わせからAIが並べた十七音を。
「すげえ」とか「ほほう」とか「思っている」のは、どこまでも人間だ。
(  日経 文化より  AIは「思えない」より  )