「勝つことで生徒は自信がつき、びっくりするほど成長する」と話すのは。
履正社高校(大阪府豊中市)の野球部で30年以上監督を務め。
甲子園の常連校に育て上げた岡田龍生さん(61)。

かつてはチームの強化のためにと手を上げた。
半年間の謹慎処分を受けたことをきっかけに、部員自身に課題と克服方法を考えさせる指導へと転換。
「工夫して上達すれば練習が楽しくなるし、押しつけるより成長が早いことに気づいた。
強いチームに育てるのに体罰は必要ない」と言い切る。

今春には東洋大学付属姫路高校(兵庫県姫路市)の野球部の監督に就任した。
忍耐強く「今日は何のために、どういう練習をする?」と部員一人一人に日々問いかける。

関西大学の神谷拓教授(スポーツ教育学)は世界レベルの選手自ら課題を見つけ。
解決するプロdセスに重点を置くことで勝つための能力を身につけている。
体罰は自主性を阻害する行為で、アスリートの育成という意味で完全に時代遅れだ」と指摘している。
( 日経  指導の行方  大阪・高2自殺から10年 より  )