高校球史に残る明徳義塾による星稜・松井秀喜選手の5連続敬遠に際し・・・。
「『勝負してほしかった』と、相手の戦略に希望を述べても始まらない。

   最悪のケースを想定して『トップ松井』というオーダーを組むぐらいの発想も。
あってよかったのではないか」。

   明徳側も大量失点の危険を負っての策だったと指摘し。
勝負しろという権利は「われわれにはない」(1992年8月19日付)。

   敬遠はずるいとか、つまらないといった情緒に流される怖さ。
実はあいまいで、誰も正解を持たないはずの「フェア」「正々堂々」を押しつける怖さに。

   ジャーナリストの本能がうずいたに違いない。

       (  日経  順風逆風 より  )