利賀村は典型的な過疎地。
役場、森林組合。農協、土建会社が村民の主な勤め先で、若者は都会に出てしまう。

  そのうち高齢者も都会で働く子供を頼って離村してゆく。
人のいなくなった家が雪の重さで、一つ一つ消えてゆく。その寂しさたるや言いようがない。

  私は学生時代に広く読まれていたサルトルの哲学を思い起こすことがあった。
人間の未来には明るくないが、敗者の頑張りをもって進もう。

  その考え方を自分なりに解釈し、驚きを持続して意識的な人生を送ろうと考えた。。

    ( 日経 私の履歴書 より  鈴木 忠志  演出家 )