選手に不断のチャレンジを求め続けた鬼木監督。
自らは個々の成長ぶりや心の機微を細やかに捉え、ピッチに送り込む選手を決めていった。

   チームの心臓部、ダブルボランチの選定はその好例だ。
知念や三竿を含めて候補が5人いるのだが、ケガなどの事情もあるにせよ。

   先発が前節と同じ組み合わせだったのは長いシーズンを通して9試合にとどまった。
また、優勝が懸かった最終節では、「どんな形であれチームに貢献しようという姿勢が感じ取れた」という。

   MF荒木遼太郎を4か月ぶりにトップ下で先発起用。
大一番での抜てきに発奮した荒木は先制ゴールをアシストし、勝利の立役者となった。

   鬼木監督が常々強調したのは「『勝てばいい』ではなく。
別のところに(選手に求める)基準を置いている」という点。

   勝ったから変えない、負けたから変えるという思考は持たず。
そのタイミングにおける最適解をゼロベースから導き出した。

           ( 日経 スポーツより  「名門・鹿島 復活Vの軌跡」 )