五輪を逃した後も、金城は現役を続行した。
「母親になって弱くなった」と見られることは己の信念が許さなかった。

   非五輪階級の59㎏級で24年の世界選手権に出場。
日本女子では初めて、出産後に世界女王のタイトルを獲得した。

   「選択肢を広げられた。すごく満たされた気持ち」。この試合絵をもってマットを去る決断をした。
人生の転機を経た今は、「私にとってレスリングはすべてではない」と言い切る。

   競技生活に全身全霊をささげ、心身をすり減らす選手も多いが「辞めた後の人生の方が長い」。
結果だけでなく、努力してきた過程を大事にしてほしいと訴える。

           ( 日経 引退模様   より  レスリング・金城梨沙子 )