私は動物の鳴き声や他人の声のマネをするのが好きなので18歳と90歳の声の変化を。
どう演じようかとかなり楽しみにしていたのだ。

  ところが・・・。実際に声の収録が始まると宮崎監督は苦笑いしながらこうつぶやいた。

  「あの、そんなに声を変えなくていいですから・・・」
むしろ私の声だとわかった方が都合が良いらしい。

  宮崎監督は子どもの冒険心を忘れず、社会を批評する目を持った凄い方だった。
「自分の中にしっかりした地球儀のある人だな」と感じた。。

    ( 日経  私の履歴書 より 倍賞千恵子 )