なぜAIに人格があると思ってはいけないのか。
もっともらしい言葉を並べても、彼らは学習した文章を考えずに合成しているにすぎない。

  だから「心から信用してはいけない」というのが、理由の一つだろう。
ベルギーではAIと対話し「煽(あお)られた」男性が、自殺、社会問題になった。
子どもへの影響を心配するのは分かる。

  文部科学省も新たに作った指針で小学生の利用は「慎重に対応を」と明記した。
子どもに限った話ではない。

  人は言葉に感情を動かされる生き物だ。
コミュニケーションを武器に進化したから、無味乾燥な言葉の連なりにさえ意味を見いだし一喜一憂する。
高度に言語を操る機械とどう付き合うか。
もっとじっけり考えたい。
           (  日経  春秋 より  )