前回の22年が新型コロナウイルスの感染防止対策に気を取られ思うようにできなかったが分。
今回は一層のびのびとして、手探りながら芸術に特段詳しくない人も。

     直感的に心が動く作品が多かった第1回と似た味わいがあるという。
地域芸術祭の醍醐味である。そこで暮らす人たちとの出会いや交流も戻ってきたことだろう。

   喧噪を離れ瀬戸内の島にいると、哲学者ブーパーの「われーそれ」「われーなんじ」という。
自己意識の根源語を思うことがある。

   確たる自己と外の世界と考えがちだが自分とは人との相互作用だ。
歓迎の心に反応し、思わぬ自分の善人ぶりに驚く。

       (  日経  春秋 より   )