3年たてば忘れ去られるという思惑は外れ、「応援団」の輪は広がった。
例えば「軒先書店」と呼ぶ窓口販売してくれる施設や団体。現在100近くの協力がある。

   楽しい施設作りのために、とモデルケースを雑誌に求める関係者も多い。
ずっと赤字だが毎号8千部ほど販売できるのは多くの施設・支援者のおかげだ。

   中身はあくまで内容重視だ。農業、環境などテーマを設け。
傍らで楽しく働く、自由に生きる障碍者の姿を紹介してきた。素顔を伝えるのに写真を多用した。

   親の許可が下りない場合も多いが、よく覚えているのは7号の表紙の子。
周囲の反対の中「載りたい」と伝え続け、最後は「載らない施設にもいかない」と抵抗し、翻意させた。

   愉快な現場を見てきたからこそ、外にも自由に出られない障碍者の存在は気になる。
彼らは誌面に出ることもない。

   本当は障害者も健常者もない。あるのは違いだけだ。

       ( 日経  文化 より 「障害者の働く姿を発信」 )