日本ハムのキャンプ地で矢野謙次君に声をかけられた。
昨年まで日本ハムの二軍打撃コーチを務め、今年からスカウトに転身したという。
巨人、日本ハムで勝負強い打撃が光った元気印は、「いろいろ勉強させていただいています」と。
ヤル気に満ちていたが、就任2年目を迎えた新庄剛志監督が率いるチームもいい雰囲気だった。

  昨年は「優勝は目指しません!」と宣言して臨み、リーグ最下位。
今季は一転、「優勝しか目指しません!」と言っている。
キャンプ地を訪れた日は、3月のWBCに出場するキューバ代表との練習試合を行っていた。

  試合前で忙しい新庄監督とは立ち話しかできなかったため。
矢野君をつかまえて「勝とう勝とうと力まず、面白い野球をやればいいんだよ。
そうすれば、おのずと結果はついてくる。監督に伝えといてよ」と言ってきた。

  面白い野球、とはどんな野球か。監督の個性、チームの個性、選手の個性を生かすこと。
監督もチームも選手も十人十色のはずなのに、特に最近はどこも似たり寄ったりの野球で型にはまっている。
教科書通りのことをやったら、戦力差は埋まらない。
そもそも、日本のその教科書がすべて正しいとは限らないのは、送りバントを例にとってもハッキリしている。

(  日刊ゲンダイDIGITAL より )