名探偵ならばどう思うだろうか。佐賀県警でDNA鑑定をめぐる不正が発覚した。
ホームズの時代になかった技術はいま、事件解明に決定的な役割を果たす。

   改ざんや虚偽報告は1,2件ではない。県警は「捜査や公判に影響はない」とする。
だが最悪の場合、無辜(むこ)の人を犯罪者に仕立てたかもしれないと思うとぞっとする。

   大川原化工機の冤罪事件では、なすべき再実験を怠っていた。「科学は嘘をつかない」。
地下鉄サリン事件などの捜査にかかわった元警視庁の科学捜査官、服藤恵三さんが自著で書いていた。

   一言加えるならば「使う人間が正しければ」。その前提が最も難しく、また恐ろしいのだ。

       ( 日経  春秋 より  )  

 

          ( 日経  春秋   より   )