石川はもう一つの”野心”を明かしている。
「速い球が全盛の時代なので、もっと真逆に行ったろうかなって」。

   真逆、とはやっと130㎞を超えようかという自身の直球でも。
戦えるところを見せてくれよう、ということだ。

   高校生よりも遅いような球で、打者を牛耳る様はなんとも痛快だ。
球速表示は遅くても、球の質やフォーム、配球の工夫で剛速球に仕立てる。

   その秘術に磨きがかかるはずの来季、ますます楽しみになる。200勝、開幕投手、遅球の追求。
「欲張りなので、いろんなものに欲張って、いいシーズンにしたい」と語る姿は、年齢を感じさせない。

   欲があるから、若いままでいられるし、実際若いから欲がある。
年齢上、若手とされる人たちも、もっと肉食にならなくては。

       ( 日経  逆風順風 より 「肉食系のすごみ」 )