グルメサイトの情報をもとにマッピングし、繁華街や日本人街の個店、小規模チェーン店に声をかけた。
「技術をどう身につけたか」と質問を繰り返すうちに。
高級店の日本料理長がその店で働く中国人の職人に技術を教えていく仕組みが見えてきた。
彼らの多くは農村出身で日本を旅行した経験もなければ、すしの形すら知らなかった。

  彼らの言葉には「成功したい」という意識が強く出ていた。
成功とは昇進したり、独立したりすることだ。
「見て学べ」が基本の職人の世界で、スマホでメモしたり写真をとったりする。
時に私が通訳となり、「ひよこを守るように握って」と伝えることもあった。
(  日経文化  上海に見るすしの国際化 より