目標だった「メダル獲得」は現実となり、しかももっとも輝く色になった。
16年連続出場で準優勝2度、入賞5度と安定して好成績を残してきた長野東が、ついに頂点に立った。
「メダルが目標といっても、優勝はほとんど考えていなかった。
まさかこんな結果でクリスマスプレゼントをしてくれるなんて…」。
就任3年目の横打史雄監督(45)が感慨深げに選手をたたえ、感謝した。

     トップ3を狙うため、横打監督はあえて大胆な起用策に打って出た。
1年時から2年連続1区で5位、3位と好走した村岡をあえてアンカーに起用。
力を見込む2年生の名和を、各校のエースが並ぶ1区に配置した。

    「村岡を1区で使えば安心感はある。ただ、メダル獲得のためにチャレンジしようと思った」

     名和が4位でリレーし、狙い通りにリズム良く滑りだすと.
2区の1年生・窪田は区間7位、3区の仁科も同3位と力走。
そして4区の佐藤が区間賞の快走で2位でつなぐと.
5区の村岡が2・6キロ地点でトップだった仙台育英を逆転した。

     「後ろとの差が分からず、全力で逃げるしかなかった」と村岡。
単独走に強く、責任感のある村岡は5区向きと横打監督は判断。
下級生が流れをつくり、3年生が仕上げる理想のレース展開で初優勝のゴールテープを切った。

     横打監督は愛知県一宮市出身。
公立の長野東を全国の強豪に育て上げた前任の玉城監督から2020年にチームを引き継いだ。
コロナ禍の難しさがあった1年目は20位に沈んだが、選手と自らの指導を信じて走り続けた。
「すごいことを選手がしてくれた。冷静を装うのに必死です」と喜びをかみしめた。
(  中日スポーツより  )