高市早苗首相は、どうやら頑固の上に、好き嫌いがハッキリしているようだ。
さらに自ら決めたポリシーラインに揺らぎがない。

   日中外交当局間の「口撃戦」のトリガー(引き金)となったのは。
7日の衆院予算委員会の高市首相答弁だった。
立憲民主党の岡田克也常任顧問が、中国による台湾有事の際。
どのような場合に集団的自衛権を行使できる存立危機事態になるのかと質した。

   高市氏は「戦艦を使い、武力行使も伴うものであれば。
これはどう考えても存立危機事態になり得るケースだと考える。
個別、具体的な状況に応じて、政府が全ての情報を総合して判断する」と答弁。
首相はほぼ同じフレーズを岡田氏に2回繰り返した。

   従前からの持論であるが、首相答弁は別ものだ。ここがまさに高市氏の真骨頂なのだ。
事前の秘書官らとの官邸(公邸)での協議を通じて仕上がった首相答弁ドラフトを。
赤坂の議員宿舎に持ち帰ってさらに赤入れするのが高市流である。確信犯なのだ。
敢えて踏み越えてみせたと理解すべきだろう。

   筆者は過日、一連の首相答弁を話題に来日中の米国の経済ジャーナリストと酒食を交えて意見交換した。
筆者が、高市氏が政権発足1カ月経たずして一線を越えたことに懸念を繰り返すと、次のように言った。

「She is clever but not bright(彼女は賢い。だけど聡明ではない)」

         ( 現代ビジネス    より  )