日本ではスポーツと「お金」が切り離されて考えられてきて。
選手がお金のことを口にするとあまりよく思われない。

   学校教育の中でスポーツをやるシステムが原点だと、生活、お金のためにという感覚は薄い。
海外ではスポーツをやりたい人はクラブへ行き、能力があればスポーツで身を立てる。

   とりわけ裕福でないところから出発した人たちは、サッカーとカネは別じゃない。
より多くもらえるところでプレーすることに後ろめたさなどない。

   無料で選手を受け渡すなど受け入れ型がたく、あの手この手で。
商売の条項が選手に設定されてるのが交渉のリアル。ビジネス化が過ぎるという批判もある。

   シーズン開幕前の大事な時期にクラブワールドカップ(W杯)が新設され。
アジアツアーが企画されると、選手を金もうけに酷使しているとの反論も沸く。正論だ。

   でもね、「では給与は半額です。国内でだけ仕事をして試合数が減るのなら」と言われたら。
選手や監督は「やります」と言うんじゃないかな。

   お金がすべてかといえば、違う。とはいえプロは価値を自分で作っていかねばならず。
計りやすい指標がお金なんだ。

       (  日経  サッカー人として より   )