2位・巨人まで4ゲーム差に縮め、4位のDeNAを1・5差に突き放す白星。
思惑通りに運んだ一戦の前に、虎将の口ぶりが熱を帯びていた。

   引き合いに出したのは1―3で敗れた1日の巨人戦(甲子園)でのひと幕だった。
5回二死一、二塁の好機で、相手先発・菅野は捕手のサインに首を11度振り。
最後はど真ん中の152キロの直球を選択。打席の森下は中飛に倒れ、悔しさをにじませた。

   指揮官は「あんなん菅野が何回も首振ってんから、直球くるやんか」と苦笑いを浮かべつつ。
「(データが表示される)iPadとかばっか見てんと、試合してるグラウンドを見ろってことやんか」と。
語気を強め、ナインに〝注文〟をつけたのだ。

   もちろん、対戦相手の情報を把握できるデータが重要であることは間違いない。
それでも2005年にリーグ優勝、昨年は日本一にまで導いた百戦錬磨の指揮官だ。
既成のデータだけに頼らず、リアルタイムで動く試合中に自分の目で見た。
〝生データ〟にも重きを置いて戦ってほしいとのメッセージなのだろう。

    ( 東京スポーツ より )