壁を乗り越え、人生を切り開いてきたDAIKIさんは、未経験の演技に挑戦することになった。
障害者専門の芸能事務所から勧められてオーディションを受け、大河ドラマの配役を得た。

  「光る君へ」の制作統括、内田ゆきさんは起用理由を。
「ダンスのキャリアからか『自分を表現したい』との思いが強く、スキルもある」と説明する。
神秘的な力を持っていたとされる陰陽師、安倍晴明を演じるユースケ・サンタマリアさんとのコンビも。
「しっくりくる」と予想できたという。

須麻流のセリフは多くないが「視線のお芝居が効いていて、キラリと光る存在感が素晴らしい」と評価する。

  「できることをしたい」

   大河ドラマ出演の反響は大きく、軟骨無形成症の子どもを持つ親などから。
「勇気と元気と感動を頂いた」とのメッセージが寄せられる。

   一方、同じ難病の人からは「特徴的な体形が大嫌いなので。
自分の姿をテレビで見ているような、すごく嫌な気持ちになってしまう」との意見も届く。

   DAIKIさんは「苦しい人がそういう声を上げていると思う。だから、悔しい」とし、こう続けた。

   「僕は自分を表現するうえで、この体を『ブランド』だと考えています。
好きなことをして、人前に出ることは面白いし、自分らしくいられる。
障害のある人たちがそう思える社会になるように、できることをしていきたいです」

    ( 毎日新聞 ストーリー より )