今年春も甲子園に出場した強豪だが、勝つだけが高校野球ではない、という。
佐々木順一朗監督(65)のもと、長い人生を見据えて活動している。

   グランドに「学法石川ディズニーランド構想」と掲げられている。
佐々木監督は「ディズニーランドは永遠に完成しない」という。

   ウォルト・ディズニーの言葉に感銘を受け、開場当初から通う。
人気アトラクションでも常に更新し続けるあたり、高校の部活も変化を恐れてはいけない、と教えてくれる。

   裏方さんから役者までそのキャストになりきっているのも参考になる。
「みんなキャストになったら、弱いチームになるわけがない」。

   部員それぞれ一芸に秀で、自分の役目に徹する、となれば強い。
人を引きつけ、リピーターにさせる夢の国の神髄はそのまま、部員の成長のヒントになる。

   おもてなしのダンスも、一人でも照れていると「やらされ感」が出て、拍手が起きない。
要は何事も徹することだ。ダンスで野球がうまくなるかはわからないが、いずれ生きる、と佐々木監督は話す。

   ( 日経  逆風順風 より 「名将『夢に国構想』の理由」)