イスラエル軍の行いは、イスラエル人より世界の方が知っている。
パレスチナ問題を扱った公開中のドキュメンタリー映画「壁の外側と内側」でそんな声が紹介されている。

   同国内ではガザの実態がほとんど報じられず、国民の目が惨状に向いていないというのだ。
ホロコーストを経験した民族の軍隊が、なぜパレスチナでは暴力的な攻撃や占領を続けるのか。

   そうした問題意識で現地を取材したという川上泰徳監督は。
「大勢の人々が知らされていないことが問題だと感じた」と話す。

   「長く中東取材に関わってきたが、今のガザは明らかに異常な状況。知れば放置できないはずなのに」。

       (  日経  春秋 より  )