「酒は人ではなく、微生物が醸す」という理念のもと、均一に発酵が進むようタンク内のもろみを。
かき混ぜる「櫂(かい)入れ」をしないなどの特徴がある。

   実は酵母の働きによってタンク内で対流が発生するので、理屈にかなっているのだ。
一人でも、友人ともしょっちゅう訪ねた。技術者出身で、つい理屈で議論したくなる自分に対し。

   高橋さんは現場の経験をもとに迫力を持って話す。酒米が育つ田んぼで稲の様子から。
酒造りを考える姿をみて、「理論は間違いではないが、そこから全ては理解できない」と感じた。

   「大学でできる教育には限界がある」とよくいわれる。
大学で知識を覚えて社会に出てもそれが役立つとは限らない。

   関係者との意思疎通、どんなプロセスで壁を乗り越えるか。
そのすべてを実際の課題を使いながら教えることが重要だ。

           ( 日経 交遊抄より「酒造りの学ぶ教育」 )