自国優先のトランプ政権がG20を軽視しても、日本を含むメンバーは。
多国間協調の維持へ力を尽くさなくてはならない。

   保護貿易やウクライナ、中東の紛争で国際秩序は揺らぐ。主要国が世界的課題を話し合う場は重要だ。
欠席したルビオ米国務長官は、議長国の南アがテーマに「団結、平等、持続可能性」を上げたことを。

   「言い換えれば『多様性、公平性、包摂生(DEI)』と気候変動だ」と決めつけた。
気に入らない議題だとしても、席にもつかないのは問題だ。

   外相会合では中国が協調の重視を演出し、米国の浅慮は中国を利することになった。
今月末にはG20財務相・中央銀行総裁会議が南アで開かれるが。

  これにもべッせット米財務長官が出席しない。米国は南アが白人の土地を収奪していると非難している。
トランプ氏側近で南ア出身のイーロン・マスク氏が批判の急先鋒のようだ。

   南での一連のG20会合に背を向け続けるなら、偉大な米国を取り戻すとの掛け声とは裏腹に。
自らの存在感が低下することを覚悟せねばなるまい。

     (  日経  社説 より 「米国のG20 欠席は無責任だ」 )