約3千店のうち7割はフランチャイズチェーン(FC)店であり。
運営する各地の加盟企業から悲鳴が上がった。

   「何とかならないか」。
マクドナルドは店の売り上げから本社がロイヤルティーを受け取るビジネスモデルだ。

企業それぞれが食材を輸入しており、急激な原料高が経営を直撃する。
「こういう時はオンラインミーティングではダメ。営業出身だから直接行って話をした。

   予定をすべてキャンセルして全国のFCオーナーのところを回った」。
ピンチの時こそトップが膝詰めで話し、理解し合うことが大切だ。

   原料の見直しや販売価格の引き上げなど、あらゆる収益改善策を検討した。
23年にかけて「水面下でバタバタと必死でやってきた」ことで、チェーン運営は落ち着きを取り戻した。

   23年までの5年間で、全店売上高は5割近く、営業利益は6割以上伸びた。
「重要なのは優先順位を付けて決断すること。そうすれば会社が縦割り意識にならずに一体感が出える」。

   経営者の要諦は、理論よりも仕事との格闘から身に着けたのだろう。
「業績が伸びた時、会社だけが喜ぶのでなく、人が成長することが一番大事だ」。

   そんな言葉にも現場育ちのリーダーならではの説得力がある。

    ( 日経 Mystory より  )