澤田さんは今も、迷ったときには「お天道さまは見ている」と考える。
世の中からみてまっとうか。恥ずかしくないか。必ず自分に問いかける。
デジタル化が加速しSNS(
交流サイト)が発展したことで。
社会に個人の意見や考えが広がりやすくなり、摩擦や分断も生んでいる。
正しさの基準があいまいになっているからこそ「自分の軸を持つことが大事になる」と考える。

  自宅近くで出会う男性がいる。
毎朝、3枚の袋を手に持ち、緑道やベンチに落ちているごみを分別しながら集めている。
気になって「どうしてやっているんですか」と尋ねると「修行です」と返ってきたのが驚きだった。
少し周囲に目を向けることで、社会は少しずつ良くなっていく。
「半分は自分、あとの半分は他人のために。だからこそ、まずは自分」。
自問自答しながら歩み続ける。
(  日経  Mystory より  澤田 純  NTT会長  )