人生の節目節目で大切な言葉をいただくのが、松下政経塾の塾頭だった上甲晃さんだ。
年齢は私より一回り上でダンディー。いつも背筋がピンと伸びている。

   男女雇用機会均等法ができた1985年に人材派遣会社を立ち上げ。
当時珍しかった女性経営者として四苦八苦していた私に目をかけてくれた。

   「志」「生きざま」。会話はそんな言葉で満ちている。
自分のことは脇において、社会の繁栄、幸福のために力を尽くさない人物は経営者の資格なし、と。

   時に禅問答のようなやり取りの中で、人間としての根っこが磨かれた気がする。

     (  日経 交遊抄より 淵辺 美紀  沖縄経済同友会代表幹事 )