かたやドイツ出身、趣味は古典音楽とピアノの演奏、大学で神学も教えた教養人、保守派。
かたやアルゼンチン出身、サッカーとタンゴを愛し、飾らない人柄、質素な生活で知られる改革派。
出自も性格も異なる2人が、聖職者による性的虐待や資金洗浄問題でバチカンが揺れた時代。
語り合っていたらという設定。(映画『2人のローマ教皇』)

当然、意見は一致しない。思想信条がぶつかれば、神に仕える身とて攻撃的となる。
だが、次第に2人は理解しあう。違いを乗り越えるのではなく、どちらかが変わるのででもなく。
ただ互に認めて受け入れる。そして固い友情で結ばれた。
現実にはこういう機会はなかったらしいが、親友であり続けたことには違いない。
(  日経  春秋より  )