痛感したのは、音程やリズムが正確な歌が必ずしもいい歌とは限らないということだ。
一生に一度の晴れ舞台に、自分の人生を表現するような1曲を選び抜いて、万感の思いを込めて歌う。

    そんな歌は、うまい下手を超えて、人の心をうつ。
逆に、技術の優れた上手な歌だjからこそ、気持ちがついていかないということもある。

   あるとき、審査員が「鐘3つ」の指示を出したが歌が、自分にはあまり響かず。
鐘を打つリズムが微妙に狂ってしまった。

   番組終了後、苦笑する審査員に「自信を持ってたたいてくださいね」と。
やんわり注意されたのは、苦い思い出だ。

   良くも悪君も、鐘の音色には自分の気持ちが率直に表れる。

      ( 日経 文化より 「『のど自慢』共感の鐘鳴らす」