台風7号が、近づいています。
台風が過ぎ去れば、猛暑日、熱帯夜からは、少しは、解放されるのでしょうか?
今少しの、辛抱ですね。
けさ、ちょっと早く目覚めると、日の出が、5時過ぎになっていました。
季節は、確実に、進んでいるようです。
「木に学べ」 西岡常一 著
小学館文庫 607円(税込み)
法隆寺の、「宮大工」、西岡常一さんが、語ったことを、文字に起こして、本にしたものです。
なんで、法隆寺が1350年以上も、存在しているのか?
「それは、飛鳥時代の『大工』が、すごかったから、当時は『学者』はおらんからの」。
まあ、そんな感じの語りです。
解体して、飛鳥の工人(大工)の、知恵→当時先進国の中国の技術+日本の風土に、合致させた。
「技法」を賞賛しています。
「塔」を作るには、同じ「山の木」を使わなくてはいけない。
「木」を買うのではなく、「山」を買えという、「棟梁の口伝」は、そう言っている。
同じ、ヒノキでも、土が違えば、全然違うものになる、と。
「塔組みは、木の癖組み、人の心組み」
「塔」は、木の癖(北斜面に生えていたとか、風の強いところに生えていたとかで、違うもの)を。
上手に組み合わせる、それには、何十人もの「職人の気持ち」も、一緒でないと上手くいかない。
AIが話題になっている近年に、西岡さんが生きていたら、どんな意見を言うか、興味があります。
確かに、「釘」1本とっても、飛鳥時代のものは、まるで「刀」を作るかのように、よくできているそうです。
飛鳥の工人が、13000年以上も、持つようにと作ったとは思えませんが・・・。
西岡さんの言葉は、なるほど、と思わせるものが、ありました。
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ほどなく師である父から「密教の修業もしておいた方がよい」と命があり。
真言宗の西大寺長老、松本実道和上が住職を兼ねる奈良の生駒山に立つ宝山寺でひと夏、修行の時を送った。
「この和上との出会いは、人生の転機になりました」。
密教の法具である金剛鈴や数珠を扱う所作、真言の意味などを。
「文字通りマンツーマンで教えを被り、質問にも丁寧に答えていただいた」。
和上は当時、60代半ばだった。
修行を終えた後も、用事にかこつけたり、何か疑問を抱えたりした時など折に触れて尋ねた。
嫌がらずに対応していただいたのだが、やや勝手が違った。
「こちらが求める『こうしなさい』という答えをおっしゃらなかった」
それでも、面会した後は重しが取れた気分になったそうだ。
「結局、人は誰かに悩みや困りごとを語りながら、自分の中に問題点を整理し。
答えを見つけていることも多いのではないか」。
多川さんは気付いたという。
( 日経 Mystory より 多川俊英 興福寺・寺務老院 )