CM20作のうち17作はサン・アドのディレクター、東條忠義が手掛けた。
二人は釣りをテーマにしたCMを企画。

  釣れない釣り人を開高さん演じる初回の角瓶のCMをはじめ。
直接的な商品宣伝はなく、広く人生をうたって評判を呼んだ。

  人柄を感じるこんなエピソードが残っている。
ある現場で開高さんが撮影用の特急ウイスキーのボトルからグラスに注いで飲み。
やはり特急は違うと満足そうに言った。

  するとスタッフが「先生、それ2級ウイスキーを入れ替えたものです」。
場が凍りかけたが、開高さんは、やはり2級もうまいと表情も変えずに言い返したとのこと。
さすが大阪人らしいオチだなと感心させられた。

 

    (  日経  文化 より 「CMタレント」開高健の素顔  )