米国人を楽しませる存在といえば大谷翔平さんだ。
その彼が元相棒の不祥事で自らの潔白を訴えた。

  率直な吐露に聞こえたのは日本人のひいき目ではなかろう。
日ごろの謙虚でクレバーな言動を見れば、本人が積極的に関与したとは思えないのは米国人も同じと信じたい。
それでも厳しい見方があるのは野球の母国ゆえか。

  桜を愛でる日本人を愛し、ワシントンに日本の桜を植えるのに尽くした米国の女性紀行作家。
シドモアは排日移民法を定めた米国に失望してスイスに移住、新渡戸稲造との交友を深める。

  新渡戸は「米国はときおり外国人に過ちを犯すがいずれ自ら矯正する」と信頼を寄せた。
新渡戸と同郷の大谷さんもそんな思いだろうか。

  (  日経 春秋 より   )