「一部の人は知っているかもしれないが、私はここ数年メンタルヘルスに苦しんできた。
(中略)この10年間、競技を楽しめていない」ー。

  昨年3月、競泳男子のアダム・ピーティー(英国)が自身のSNSで発表した声明は衝撃的だった。
平泳ぎ2種目の世界記録を持ち、2021年東京五輪では男子100mで連覇を達成した競泳界のスター。

  来月開幕のパリ五輪にも出場するが、華々しい活躍の裏で近年メンタルの不調に悩まされてきた。
東京大会後は休養し、昨年は世界選手権代表からも外れた。

  「普通の仕事ではない。すさまじいプレッシャーがある。お金で幸せは買えない。」
吐露したのはトップアスリートが受ける心理的過酷さだ。

    (  日経  スポーツとウェルビーング より   )