「間違いを犯しても修正することで進歩が生まれ、真理に近づくことができると暗示されている。
これが私の哲学のやり方だ」と話す。

   いま危機感を抱くのは資本主義を攻撃する風潮だ。
欧米では貧富の格差や気候変動を招いた原因を資本主義に見る一方。

   共産主義や別の経済システムを模索する動きがある。
「だが封建主義を否定した資本主義こそが人々に自由をもたらした。

   その事由が創造性や生産性を生み出したはずだ」と評価する。
「現代の資本主義は『倫理』が欠けている。

   必要なのは利潤を求めながらも人々の欲求を排除し、相互扶助を徹底する考え方だ。
そうでなければ自由や民主主義が衰退しかねない」。

     ( 日経  Mystory より  マルクス・ガブリエル  哲学者 )