ロンドンで幹部候補生のセミナーに参加して驚いたことがある。
「上司はどうあるべきか」がテーマだったが、講師がこう言ったのだ。
「部下に物を頼むときは、丁寧語を使うこと」。

  「上司に丁寧語を」が日本企業の常識だから戸惑った。
「金曜日は休みの前日なので午後は部下に仕事を頼んではいけない」。
これも違和感があったが、今は私もそう思う。

  「失敗した部下を、乱暴な言葉で怒っても人は変わらないし、育たない。
別室で静かに部下の話を聞くこと」が大事なのだ。

  英国では親が子供に物を頼むときも丁寧語を使う。
「どうしたら自分のために動いてくれるか」を考えると、命令したり大声で怒鳴るのはむしろ逆効果なのだ。
この教えも外資で学んだとても貴重なことの一つだ。。

  ( 日経  外資で働くということ より  藤原 美喜子  )