強権的な手法により政治状況も一変した。
国民の8割を占めるヒンズー教徒を優遇する「ヒンズー至上主義」を推進し、国内を深く分断した。

  経済政策派は必ずしも成功していない。
インフラ整備に欠かせない土地収用法を断念したほか。

  農産物流通の近代化などを進めるための農業関連法は、農民らの抗議運動で廃止となった。
失策への批判は権力で抑え込んだ。

  その結果、経済的な不安を抱える地方や低所得・低位カーストの人々。
宗教的少数者らの不満が死角となったことに気づかなかった。

  「必要なのは強い政府ではなく『強い野党』よ」。
4月19日の最初の投票日。熱波の西部ジャイプールの投票所を訪れた女性はこうつぶやいた。

     (  日経  迫真 より  インド モディ3戦の死角 )